M.M.M. SKIN
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東京グラン・ギニョルはバリカーデ公演の数年後、
M.M.Mとして"SKIN"と言う芝居を上演した。
廃墟工場のような秘密基地で、「死」を考察する5人の少年、
リカ、ルー、ボブ、ネンド、ヨハネ。
そこに大学教授であったリカの父親・シマダ教授の突然の訃報が届く。
生物学者である父は、実験中の事故で死んだと云われる。
教授の骨壺の中にはフロッピーデスクが入っており、それを解読した少年たちは教授の生死を確認するためテン研究所へ赴いた。
父親の死を信じられず、どこかでまだ生きているはずだと切望する少年の前に現れたのは、…
「はい。嶋田マシーンですよ。パパですよ。」
研究者・テンに紹介されたマシーンを父親と呼べるのか、
機械の父と、父の実験の結果である異形の男達を前に、
人間とは、存在とは、生物学的な存在と人間の存在の違いは何か、
最終的に少年達の起こした行動は。
↑戸惑う少年たちの前に現れたのは、奇っ怪な姿をしたホセと
ドロシーと言う名の男。
彼らはシマダ教授に人造人間にされた恨みと、その復讐を叫ぶ。
少年たちとホセ・ドロシー、そしてマシーンとの大乱闘。
人間の生死の境とは?
人間と人間ではないものの境とは?
↑ドロシーはガスマスクの様な物を装着し、口元から垂れ下がった
犬の肛門を取り付けられたチューブがうごめいている。
ホセ(斉藤聡介氏)は眼帯をし、片手が人工筋肉、身体は人工内臓が全て露出し、口の悪いサディスティックな血飛沫を浴びニヤリと笑う役柄。↑
●庄司トオル (東京都港区) Twitter @ToruShoji
大阪芸術大学映像学科卒。在学中にパスピエ結成。大阪、京都で4本の演劇作品を発表。(2本は笹千丸名義)。東京の広告代理店にてコピーライター、プランナー、クリエイティブ・ディレクター、企画開発室室長を経て、2013年、サーヴィス アンド コネクションズ結成。2015年、Betsujin プロジェクトを準備中。
長らくSKINを上演した集団M.M.M.が何の略か色々思いを巡らせてきた。
男性ばかりなのでジェームス・ブラウンのイッツ・マンズワールドと、鉄が出てくるのでルー・リードのメタル・マシーン・ミュージックをかけたのか、とか。WWWをひっくり返したのか、とか。
実は最近、80年代のあるノイズのLPを入手して、アッと思った。
ザ・ハフラー・トリオとルチアーノ・ダリなるナポリのレーベル・オーナーのカプリング・アルバム。そのルチアーノ・ダリの面の1曲が、SKIN(VIDEO MIX)の中でサンプリングされている。
使われたシーンは嶋田教授のお骨と遺影が届けられる場。ピー、ピー、という断続音に続いて、坂本龍一氏のようなヒャラ〜、という冷たい音楽が流れる。まさに静的なシーンのギニョルを象徴する音色。戯曲ではハフラー・トリオの曲と書かれていたが、実際は、B面のルチアーノ・ダリのVirikutaであった。
このルチアーノ・ダリのVirikuta、なかなかいい音色で、この坂本龍一的ヒャラ〜に入る前にグルグルグルという虎の唸りのような、機械のもっさりした駆動音のようなものが流れているが、これも切り取られて、飴屋さんの演じるテンと、ついで嶋田マシーン“教授の登場時に使われている。
それがM.M.M.の略と何の関係があるかというと、実はこのLPの発売元、つまりレーベル名が、Musica Maxima Magnetica なのである。そしてそのオーナーがルチアーノ・ダリ氏。
ムジカ・マキシマ・マグネティカ。かっこいい。
と、これはあくまでも個人的推測だけど。
ちなみにSKINの大阪公演に行った友人によると、バンコウのギミーモアとクロックDVAのハッカーがかかったそうだ。ビデオ版にはなかったのでユーグンあたりに差し替ったのかも。
PANKOW - GIMME MORE 1988
Clock DVA - The Hacker
さらに、このパンコウをリミックスしたエイドリアン・シャーウッドは、ノイバウテンのユーグンもリミックスしている。SKINのVIDEO MIXで使われているのは、回転数を落としてボーカルを抜いたものに、さらに手が加わっている。
Einstürzende Neubauten - Yu-Gung (Adrian Sherwood Mix)
16年前にギリシャに行った時、街中にノイバウテンのツアーポスターが貼られていた。至るところ工事中のようなアテネの街にマッチしていて凄く格好良かった。思えばそこからさらに遡ること15年前、高校の生徒会室で初めて聴いて衝撃を受けたノイバウテン。これまで一度も肉眼で観たことがなかった。
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ホセ役の斉藤聡介氏の2009年のブログから http://brristol.exblog.jp/i5/
ここのところ、ずっと頭に住み着いている写真たち。「懐かしい」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、懐古したくなっているのではなく、只今、現在進行形なのです。思いっきり。思いっきり(クドい)。
紙焼きがなかったので、『an-an』(うひゃー?)と『Hanako』(うひゃー??)をすきゃなでとってみました。M.M.M『SKIN DEPART-MIX』告知。うわ〜…
『SKIN#5 VIDEOMIX』capture[1]
2009年 04月 26日
せっかく,ゆんじさんがDVD化して下さった記念に,何とか残っていた映像から,例によって?きゃぷちゃしてみました(特技:きゃぷちゃ).またもや,どえらく久しぶりのきゃぷちゃですが(笑).
島野義孝氏による映像の『SKIN#3 246MIX』(1989年6月3〜21日,青山246CLUBにて上演)から.写真もありますが,ネガがMacの壁に阻まれ,すぐに発掘出来ないので.
何とまあ,今年で上演から20年目なのですねぇ!時間が経つのは本当に夙いですね.でも,20年前の映像と云う気が全くしません.何故でしょうねえ??何ら今現在との違和感がないのですが.
【追記】この『SKIN#3 246MIX』について,ご存知ない方の為に
上演:1989年6月3日(土)〜18日(日)←フライヤーでの日付
出演:M.M.M+Q'SAKU SHIMADA 演出:飴屋法水 脚本:飴屋法水+大橋二郎
美術:M.M.M 音響:浜里堅太郎+飴屋法水 衣装:田口貴朗
ちなみにチケットは3,000円.連日稼働率100%を超えていました.斉藤聡介は「ホセ」で出演.見事な鬼ゾリ.
2009年 / 斉藤聡介氏のブログより
ドイツ軍のブーツ 東京グランギニョルのバリカーデの時に履いた靴
ようやくマシン環境復旧.我慢と忍耐の5日間(笑).途端に巨大な縦画像を貼る軽薄ぶり.ケータイ実験も大変興味深かったのですが.それにしても,デてえよ.
デカい画像ですねえ…と云う訳で,この古〜い年季の入ったブーツ.最早,がちがちです.ドイツ軍の放出品.
まだ保存されていたのですが,どうやら物置内でネズミの邸宅になっていたようです.お〜っぢごっヨカかざがしそうですね.ゲネプロの際,このブーツで水に入った処,脱げなくなったらしいです.田口くん,ありがとう」斉藤聡介
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暗黒藝術カルナバルについて
【記事】 暗黒藝術研究会が個展 大阪日本橋に見世物小屋が!?
2015年09月09日
関西大学の暗黒藝術研究会が「暗黒藝術カルナバル」と題した初の個展を、大阪・日本橋のスナバ・ギャラリーで9月5日から9日まで開いた。関大のアングラシーンを一手に担う同団体は、2013年4月に荊冠きざき(けいかん・きざき、21=文3)さんが旗揚げ。サークル3年間の集大成を、サブカルの聖地から発信した。【写真・テント芝居のような内装にこだわった暗黒藝術研究会の個展。右は会長の荊冠きざきさん】
電気街の裏通りで、妖艶な光を放っていた。1階は唐十郎の紅テントをほうふつとさせる「闇黒(あんこく)テント」が、ギャラリー内の展示物を外から隠す。2階は寺山修司の天井桟敷を意識した「暗天桟敷」。公演や上映会が連日開かれ、サーカス…いや、見世物小屋のような雰囲気を醸し出した。
絵師・東學さんのライブペイントや、体現集団天憑(てんつく)のパフォーマンスが行われたほか、写真作家の中村趫さんや人形作家の夏目英璃さん、作家のいちこみるぐさんの展示も。アングラ界で妖しげに輝くキラ星のような面々が、暗黒藝術研究会の活動に共鳴する。
新入生歓迎行事や閉鎖直前の天六キャンパスなどでも、様々な伝説を残してきた暗黒藝術研究会。何を感じ、何を伝えようとしてきたのか。荊冠さんは「今までの活動を振り返り、研究をまとめられて発信できる個展を開きたかった。アングラを知らない人でも、こういうのもあるんだ、ということを知って欲しい」と、5日間の奇祭で思いを体現した。
アングラ演劇全盛期の60年代に心酔する異能の関大生。「ハプニングがやりたい。いまの若者に、60年代表現は受け入れられるのか気になっています」と、荊冠さんは視線を前に向ける。演者と観客の境界線をなくし、街や大学内も舞台にしてしまうハプニング劇。暗黒藝術研究会が、千里山キャンパスの情緒を不安定にさせる。
電気街の裏通りで、妖艶な光を放っていた。1階は唐十郎の紅テントをほうふつとさせる「闇黒(あんこく)テント」が、ギャラリー内の展示物を外から隠す。2階は寺山修司の天井桟敷を意識した「暗天桟敷」。公演や上映会が連日開かれ、サーカス…いや、見世物小屋のような雰囲気を醸し出した。
絵師・東學さんのライブペイントや、体現集団天憑(てんつく)のパフォーマンスが行われたほか、写真作家の中村趫さんや人形作家の夏目英璃さん、作家のいちこみるぐさんの展示も。アングラ界で妖しげに輝くキラ星のような面々が、暗黒藝術研究会の活動に共鳴する。
新入生歓迎行事や閉鎖直前の天六キャンパスなどでも、様々な伝説を残してきた暗黒藝術研究会。何を感じ、何を伝えようとしてきたのか。荊冠さんは「今までの活動を振り返り、研究をまとめられて発信できる個展を開きたかった。アングラを知らない人でも、こういうのもあるんだ、ということを知って欲しい」と、5日間の奇祭で思いを体現した。
アングラ演劇全盛期の60年代に心酔する異能の関大生。「ハプニングがやりたい。いまの若者に、60年代表現は受け入れられるのか気になっています」と、荊冠さんは視線を前に向ける。演者と観客の境界線をなくし、街や大学内も舞台にしてしまうハプニング劇。暗黒藝術研究会が、千里山キャンパスの情緒を不安定にさせる。
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