2015/08/06

ライチ光クラブ★東京グランギニョル

           
                                                                                           (丸尾末広氏の絵からの模写)

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         **このブログはまだ未完成です。徐々にアップデートしますので、また訪れて下さい
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◆ライチ光クラブのDVDはありません。
でもCDはたったひとつだけ存在します。
ゼラこと常川博行氏が所持していて、時折東京エリアで常川さんと共に公開しています。
会場と宿泊施設さえあれば、何処へでも行かれるそうですので直接ゼラさんにコンタクトして下さい◆



                                                            過去にも未来にもこれ以上美しい演劇は決して無いだろう。
                                                                        どのシーンを切り取っても完璧な絵になる演劇。
                                                   飴屋法水氏とオールキャストのコラボレートが創り出したアート。
                                                                        ★東京グランギニョル、ライチ光クラブ★

                                                             その少年達は決して大人にならない。
                                                    大人になることを嫌う少年達。

                                              彼等はずっと童貞のまま生き続ける。

               
↑首領ゼラとライチ光クラブのメンバー達


         1985年12月22日下北沢東演パラータのチケット





1985年12月、下北沢東演パラータで「ライチ光クラブ」の初演が始まった。
入り口の外には黒ずくめの客の集団や、詰襟学生服を着た異様なメーキャップの少年達が客を誘導していた。

彼等は以前にも「マーキュロ」や「ガラチア」という劇を上演している。
マーキュロには嶋田久作氏の演じる教師の助手として漫画家の丸尾末広氏も出演。
東京グランギニョルの主宰である飴屋法水氏は「丸尾末広の絵を舞台化したかった」と言う。
そして彼は以前所属していたJ劇団で、タップダンサーの踏み鳴らす床の音を聞き、少年時代の記憶を蘇らせ、丸尾末広の描く世界と重なり合わせる。そして蘇った少年時代の独自の世界を表現するために東京グランギニョルを立ち上げたという。

               
                

狭い客席と舞台の間に幕はなく、急に暗転した舞台から東京グランギニョルのライチ光クラブが始まる。
舞台中央にある高い場所で、銀縁眼鏡をかけた学生服の少年が機械的なPOPな音楽に合わせながらポーズをとっている。数人の学生達が各自ピンスポットを肩に背負い、客席に向けている。
白黒のモノトーンの中で、中央の棺の表面に描かれた真赤な星が鮮やかだ。
はたして笛の音がしていたかは定かではない。
光クラブの主宰はゼラだが、実はその裏にゼラを洗脳したジャイボ(飴屋法水)が存在する。
これは想像だが、ゼラは学校では優等生、両親に将来を期待されたホープだったに違いない。

初期には漫画家の丸尾末広氏も出演。死体解剖のビデオを見せて喜ぶ博士の役だ。もちろん自らの本の宣伝も兼ねる。





 






















ジャイボは他校の生徒なのかも知れない。
この少年は世の中や大人を見下していた聡明な少年。そんなジャイボは優等生タイプのゼラに悪知恵を吹き込み利用する。また大人を嫌悪する少年は、大人の男女が行う行為を異常な程嫌う。少年のまま成長したくない。決して大人になら無いためにこの結社を作り、童貞のまま鉄のペニスを装着している。



ジャイボは「この鉄のペニスは人間の女に使うものではない。使い方は各自で考えるように。僕は、そうだな、TVで試してみよう。こんにちは、サイキックテレビちゃん!」と叫び、ブラウン管のテレビに挿入し感電したように舞台を走り回り果てる。↓




★ゼラ役をした常川博之氏は語る。「"ライチ☆光クラブ"と"ライチ光クラブ"との決定的違いは、BL要素の無いのが、ライチ光クラブ。だいたい、全員鋼鉄のペニスに改造しているから、BLどころか、女性とのSEXもオナニーもできない。完全無欠の鋼鉄の童貞集団という設定だからね。ライチ光クラブのメンバーは、性衝動から解放され、賢人独裁を夢見る、鉄の団結を誇るユーゲント。という、設定のジャイボのモルモット実験場なのだよ。真の闇の皇帝は、ジャイボだからね。」(2015年8月)











少年達は人造人間を作っている。椅子をに座り各自分担されたパーツを真剣に創り続ける。その目は喜びと好奇心と狂気に満ちている。


















突然学生達に引きずられながら鳥羽少年が連れて来られる。
彼は光クラブの周辺を探索し覗き見をしていたらしい。本人は視力が低いので何も見えなかったと主張するが……それでもリーダーのゼラによって処刑される。彼はゼラのお気に入りのピンスポットの照明、ロイヒテンによって目を焼かれ失明する。
鳥羽が目を潰され歩いていると、女教師の萩尾なおみに止められ問い正されるが「自分でやったんです」と答える。「自分で出来る筈がないでしょう」と女教師。少年達の報復を恐れる鳥羽が言う「いえ、僕、器用なものですから」




   ジャイボは女教師に言う。
「ランドレースとは何か?」
「豚だよ。人間に食べられるために改良された家畜。その家畜が、
    殺され食われるために、餌を食べ眠る。明快だよ。そこには何の無駄もない。」
「お前も明快なものに変えてやる。」
    (文章提供者 : 常川博之氏)




ある日少年達は女教師を強制的に連行する。教師はジャイボによって鉄のペニスで犯され、陰部から血を噴き上げて息絶える。世の中の大人の代表として女性教師は暴行を受けゴミのように扱われ廃棄される。


↑女教師(萩尾なおみ)とジャイボ(飴屋法水)

ある日、少年達のロボットは完成する。その名はライチ。「このロボットの燃料はライチだ。ライチはあの楊貴妃も好んで食べたという果物で、僕達の可愛いロボットにガソリンや電気なんて物は食べさせられないしね。ライチという響きがいいだろう?ライチ、ラライチ、ラララーイチ」 ゼラは、ライチを空に泳がせながら口ずさむ。

                              「ライチ  ラライチ  ララライチ」     ↓ (写真提供 : ゼラ  こと  常川博行氏)

                   

                   

                   

                 
                      "ライチは飴屋法水氏が雑誌記者と共に食事をした時に出たデザートのライチから、
                        また下地には楳図かずお氏の漫画「私は慎吾」に基づいているという。"

少年達は 「しゃがめ!立て!」と命令すると、ライチはちゃんと言うことを聞いた。少年達はおおースゴイぞーと言いながらライチに同じ命令を繰り返し興奮する。ゼラはライチに「ところで君の使命は何だ?」と問う。「少女の捕獲」とライチは答える
ロボットはライチをもらうとジュルジュルと音を立て貪る。雷蔵(矢車剣之介)が作ったネコの耳のついた
バケツのような帽子(これを被せると誰でもすぐに眠ってしまう)をライチに渡し、少女を連れて帰るように命じる。最初ライチは自分で帽子をかぶり、ヌイグルミを抱えて帰ってくるが、再び少女狩りに地上へと出かける。
その様子を少年達は地下にある4本の潜望鏡で興奮しながら観察する。


























深々と帽子を被せられた少女をライチは連れて戻る。少女の名前はマリン(越 美晴さん)。
少女はゼラからの質問に対し「変な名前」「そういう口の聞き方はやめた方がいいわ」「もっとマシな質問をして」などと言ってゼラを困らせる。ゼラは少女を鉄の少女に作り変える事を決定する。



 ↓ゼラ(常川博之:右)にチェスで負けるタミヤ(武井龍秀:左)

ある日タミヤ(武井龍秀氏)はゼラにチェスで負けてしまう。不満の募ったタミヤはジャイボにそそのかされてゼラの育てていたライチの木に放火するが、あっさり捕まってしまう。ジャイボがそそのかしたにもかかわらず、ジャイボは去勢の刑を提案し、タミヤの鉄のペニスを外してしまう。
純粋な少女マリンは「男と女と両方になれて良かったとか思うのよ!」とタミヤを励ました。「バカヤロウ!」とタミヤ。




マリンとライチは次第に心を通わせる様になる。
少女は自分の名前はマリンとライチに打ち明ける。ライチは「私は人間だ。頭の中にそうインプットされた」と言うと、マリンは「じゃあ、頭を割って見せてよ。あ、すねたの?すねるロボットなんて可笑しい」



ライチは少女に眠っている場所に赤い花をいっぱいにしたり、花をプレゼントしたり、足踏みオルガンを弾いて聞かせる。
マリンはライチに言う。「君は私が機械になったら嬉しい? だって私がおばあさんになったら君はもう花をくれなくなるに決まってる」
ある雨の日雨漏りのする地下で、1枚のビニールシートに2人包まれて身を寄せ合い恋をする。マリンを演じる越美晴さんは、ボーイッシュなショートカットで可愛い少女の服を着ていた。そして彼女の声も少女そのものだ。
マリン「こんな冷たいおでこ、触れたことがないわ。ねえ、君のおでこ、何で出来てるの?」

マリン「左手は、力の出ない手であります。上手に字も書けないし、絵も描けない。
                だけど、きれいな音はいつも、左手から出てきます。なぜって、左手はつまらない仕事をいたしません。」





ライチを演じる嶋田久作氏はアーノルドシュワルツェネッガーのような顔の骨格で、とても優しい目をしている。マリンは、アニメ"銀河鉄道の夜"の中の曲に合わせて、オルゴール人形の様にゼンマイが切れると止まり、ゼンマイが巻かれる音がすると再びクルクルと踊った。マリンに恋をし人間として目覚めたたライチはある日暴走する。少年達を片っ端から殺してゆく。
                                                           


















最後の相手はゼラ。ライチはゼラの腹部に片手を突っ込んで内臓を引きずり出す。そしてその瞬間、ゼラは客席に向かって血を吐く。自らの腹から腸を取り出して「コレが僕の内臓か、痛い、なんとか元に戻せないのかな、困ったな、なんか疲れたよ、そうだ少しだけ休もう。」と言い……果てる。

    ↓コレが僕の内臓か………



そしてライチはマリンを捜し出し、互いに駆け寄ろうとした途端、燃料切れになる。マリンは最後にひとつ残ったライチを取り「今すぐ剥いてあげるからね」とライチに食べさせようとするが、ライチは目を閉じたま動こうとしなかった。

〜暗転〜


再びライトが当たると、中央に目を閉じたライチが座り、ライチの膝でマリンがバケツのような帽子を被せられ横たわっている。
ライチの背後にはゼラが立っている、ゼラは永遠に生き続けるようだ。


ゼラ「…僕はここに立って眺めよう。ライチという名の機械が、ゆっくりと錆びついて行くの      を。マリンという名の…マリンという名の少女が、腐敗し、骨になって行くのを………。
諸君‼︎ ………ボーラン! ベーギネン!」
ゼラ、笛を取り出し、ピーッと吹く。舞台後ろの壁になっていたシートが全て落ちる。
その向こうに、いくつもの脚立が立ち並び、思い思いに少年達が座り、互いの血まみれの顔をライトで照らし合っている。強いカネの音が響く中、ゆっくりと暗転してゆく。
END



               
                

 
           
  
           
 
                
                 
                  東京グランギニョル「ライチ・光クラブ」サウンドトラック Youtube by/東澤俊秀
                    http://www.youtube.com/playlist?list=PLdwFsFAghdUaWtFS1-lDJs5sum0FIqLJc     
                                  
             

ゼラを演じた常川博行氏
彼は東京都出身。1978年以降、シェイクスピア・シアター演出部に在籍。また東京マイム研究所、及びアロックダンスカンパニーにてパントマイムを研究。

1980年、唐十郎原作・蜷川幸雄演出のパルコ劇場公演『下谷万年町物語』の少年役でデビュー。その後状況劇場に参加。1985年、アロックダンスカンパニーのミュージカル、ニューヨーク公演に参加。帰国後、東京グランギニョル公演『ライチ光クラブ』『バリカーデ』などに出演する。その後フリーの幻想怪奇小説の朗読者として活動。2002年以降、渋谷のアートスペース『美蕾樹』などにて中井英夫、井上雅彦・速瀬れいなどの作品を中心に『MONO語り』
と題する朗読会を主催。また劇団回転百眼でも多く活躍。代表作、丸尾末広原作『少女椿』で見世物小屋の親方を演じた。

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2015年8月   常川博行さんよりメッセージ
                  (元東京グランギニョル・ライチ光クラブのゼラ) 

映画『ライチ☆光クラブ』 これは「ライチ光クラブ」ではなく「ぼくらの☆ひかりクラブ」の映画化なのでは? 
それなら、解る。「ぼくら」は、兎丸ワールドだ。
もう、「ライチ光クラブ」ではなく、「ライチ☆光クラブ」として古屋兎丸先生の代表作として認知されてしまったのだからしょうがない。
僕らは、演劇史からも抹殺されていますからね。デスノートといい、ライチ光クラブといい、どんどんサブカル色を薄めて、一般受けする口当たりの良いお遊び映画に仕立てて大衆化して、飽きたら捨てる。
本当に、嫌なマスコミだ。

「ライチ光クラブ」好きな諸君へ、
なぜ、光クラブのメンバーが、詰襟学生服を着て、ドイツ語を会話の端々に挟み込むか、わかるかい? 
ファッションでも、コスプレでもない意味がわかるかい? 
80年代に、わざわざ学生服を着る集団の演劇をやる意味がわかるかい? 

2015年8月25日古屋兎丸さんからのメッセージ     

  
僕は東京グランギニョルのライチを心から敬愛してますよ。

漫画にして後世に伝えたいと思うぐらいに。

メディアミックスのライチの原作が

 僕の名前になってるのには歯がゆい思いですが、 色々あるんです。歯がゆいです。   

              
2015年12月17日 常川さんからのメッセージ。
兎丸君から、メッセージ来ました。
やはり、古屋兎丸原作というのは、飴屋法水からの強い意向だそうです。
出版社も兎丸君も本意ではなかったとのこと。
まあ、飴屋ならありえる話です。



2015年12月17日 古屋兎丸さんからのメッセージ
こんにちは。詳しい事は僕が勝手に話す訳にはいかないので
控えさせて頂きたいのですが僕も出版社もグランギニョルに対する敬意
は十分持ってますのでご理解下さると嬉しいです。
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常川博行氏、残酷歌劇ライチ☆光クラブ観劇のコメントは下記のページに移しました。
どうか  VISIT してください。

ライチ光クラブとライチ☆光クラブ




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*注⤵︎ これは古屋兎丸氏への否定文ではありません。


東京グランギニョル・ライチ光クラブの別のストーリーがある。
それは古屋兎丸さんと言う漫画家の ライチ☆光クラブである
ライチ光クラブという作品は、東京グランギニョルがオリジナルである事は知られてはいるが、ご存じない人も多い。
オリジナルのライチ光クラブは、丸尾末広氏の漫画を舞台化したかったと言う飴屋法水(あめや のりみず)氏が鏨 汽鏡
(たがね ききょう)と共に東京グランギニョルという劇団を作り鏨 汽鏡が脚本、飴屋法水が演出し舞台化したものである。

役者達の演技は現実の出来事と錯覚するほどリアルで、観客は目の前で展開されているストーリーの当事者となって
物語の中へのめり込んで行く。
観客は、バーチャルリアリティーの中に立たされている様な強烈な強いショックを受ける。
そして東京グランギニョルに身も心も洗脳されてしまい、その存在が頭から離れなくなる。

オリジナルのライチ光クラブと現在のライチ☆光クラブはよく似ているが全く違う。
ライチ☆光クラブは笑いありの漫画であるのに対し、グランギニョルは音と光と影とのアートである。

『ライチ☆光クラブ』の漫画の作者古屋兎丸さんは実際に東京グランギニョルを観劇し、
漫画を描かずにいられないほど大きなショックを受け影響された大勢の中のひとりである。
彼はライチ光クラブのオリジナルをベースに彼なりの世界、兎丸ワールドを作りあげた
彼は東京グランギニョルの舞台をひとつとして曲げる事なく忠実に舞台通りの漫画を描くべきだったと思う。
コピーライトなどの問題はあるかも知れないが、彼にはその実力があると思えるので非常に残念に思う。 

今後このイメージのライチ光クラブだけが残らないために、ここから多くの人たちにオリジナルを深く知ってもらいたい。
そして、出来るなら映画の原作は「鏨 汽鏡・東京グランギニョル」と書くことを願う。
あの永遠のARTと言える舞台は、二度と再現する事は残念だが出来ないだろう。
知っていただきたいのは、東京グランギニョルのライチ光クラブは、現在のライチ光クラブとは全く違う別物である事。
皆さんが本当のライチ光クラブを観れなかった事を、心から残念に思う。
                                                                                                                     

古屋さん、出来ることならもう一度ライチ光クラブを描いてみませんか?
今度はオリジナルを忠実に再現してみませんか?
心からのお願いです。そう望んでいる人は沢山いるのではないのでしょうか?
本当のライチ光クラブを後世に残すために。

 〜K. Olds〜

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古屋兎丸さんへ

古屋さんが東京グランギニョルをとても愛し、漫画を描きたくなり、
ずっと伝え続けて来てくださった事、この時代まで"ライチ光クラブ"の名前を残し、
若い人たちにライチ光クラブに興味をもたせてくれた事を心から感謝しています。
きっと他の東京グランギニョルファンも同じ気持ちでいると思います。
古屋さんも東京グランギニョルの舞台を観て、心にずっと東京グランギニョルと共に
生きてらっしゃった事が深く 伝わってきます。
私も古屋さんのマンガ "ライチ☆光クラブ"を買い、楽しく読ませていただきました。
ありがとうございました。
今後のご活躍をお祈りしています。      

 〜K. Olds〜

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   ** *下の4人の記事は、ライチ光クラブの初期の、チラシの裏に書いてあったものです。
                大御所達のコメントをお読みください***

**********★飴屋法水★  "テクノなハート"********

   越美晴嬢はテクノである。こんな事を言うと「何をいまさら」と言われそうだが、今さらの様に僕は言おう。美晴嬢はテクノである。そして僕もテクノである。
これは別に僕が芝居の中でテクノ・ポップとジャンルされる音楽を使うという事ではない。美晴嬢が、もう生ピアノは使わないという事でもない。(現在は生ピアノを使っています) 
テクノとは、ある精神の事。それをテクノなハートと言おう。そのハートがなけりゃ、只のエレ・ポップだ。
  さて、そんな彼女はノン・スタンダードレーベルからレコードを出す。(当時、まだCDではありませんでした) ノン・スタンダードとは何か? 標準ではないという事だ。
つまり、畸型という事だ。ではテクノなハートは畸型なのかと言うと、そう、畸型なのである。
  しかし、このテクノなハートと言うのは過激にフェティッシュな快楽の追求の仕方で、フェティシズムというのは本来、男特有のものなはずだ。
すると美晴嬢のテクノなハートは、彼女のペニスだ。だから、ここで大胆にも、美晴嬢をアンドロギュヌスと言い切ってしまってもかまわない。
  過激と称される女性アーティストのほとんどが、女性の生理をふりまわすのにくらべ、この美晴嬢の過激さは貴重である。
世の男ども、もう一度耳を澄まして彼女のレコードを聞け。
その、秘めた過激なハートを聞け。



********★越  美晴★  秘密の加速度(スピイド)********

  ボクの両親は何故、纏足を履かせてくれなかったのだろう。
もしも、小さな頃から、足にじるじると血の通わなくなるほど布を巻き着けて眠っていたなら、きっと今頃は、正常に発育した肉体を支えきれなくなった小さな足が少しも真っすぐ歩けずに躓いてばかりいるのではないだろうか。と、有り得るはずもない妄想に耽ってしまうことがある。
ボクの快楽は、そんな子供っぽい、内向的な遊びの中にあったりする場合が多い。
   東京グラン・ギニョルは、同じように子供っぽい!  飴屋法水少年は、本当に大人に馴染めない様子で、加速度をつけた悪さは、エスカレートする度に気持ちがいい。
成長を止める注射を打たれた子供たちの如く、ユーゲントの持つ陶酔感や、幼児期にだけ味わうことのできる、いけないものを覗き見してしまった時の、あのドキドキして胸が潰れてしまいそうな瞬間を、何の感情移入もなくサラッと言って退けてしまうのだから。
  ところで、前作のモンゴロイド・ミハルとか、今度のマリンとかは、ボクの本質を見抜いています。ので、今回この恐るべき子供たちの一味になることができたことを光栄に思っています。


********★細野晴臣★  オーバー・ザ・トップ!! ********

  東京グラン・ギニョル観ました。今度も観ます。おもしろいから。
なんかこう、他の場所にはないものがあります。
お芝居とか劇というのでも似合わないし、パフォーマンス、暗黒舞踏といろいろありますけど、そのどれにも属さない過激さがトキメキます。
  何が似合うのかといえば、立花くん、ラディカルTVとか、今回出演する美晴ちゃんのような、つまりテクノがぴったりです。
でもテクノといっても、調和が保たれているものではなくて、どこかが行き過ぎたりしている音楽を選んじゃうところが、飴屋/グラン・ギニョルだと思います。
私がやっている音楽も行き過ぎたりしてまして、それを今度からOTT(オーバー・ザ・トップ)ということにしました。
  私が好きな人達は、皆、OTTだと思いました。


********★ジュネ(オートモッド)★  東京G・Gへ********

  寺山さんが亡くなってからの日本の演劇もずいぶんつまらなくなった。
けっきょく演劇は演劇論でしかない。役者にしたって、大見栄切った新劇よろしく、大根やって拍手喝采。感覚的には30年前そのまま、舞踏だパフォーマンスだとこれだけさわがれているのに、その狭くるしい見識にはヘドが出る。
だったら今の演劇なんてものとかかわりあってるよりまったく別な所で動いた方が利口というもの。そして僕はそう動く。そして彼もそう動くのだろう。飴屋法水という男も。
  ぼくもバジワークシアターという劇団を持っているが、その初演においては、東京グラン・ギニョルの徹底した見世物根性にかなり触発された所がある。
  この腐りきった時代には人々は惰眠をむさぼる。しかし体の中に押さえつけれないパンドラの箱を隠し続ける世紀末症候群隠蔽者達は、そんな怠惰な夜をとびきり猥雑なエロチックさで切りさいてやりたくなる。東京グラン・ギニョル、それは、そんな気分の夜ふと迷いこんだ見世物小屋。人々はきっと自分の行き場がその迷宮の中で喪失していくことに気づく。
そこにあるのは芝居なんかじゃなく、あなた自身が忘れ去ろうとしたデジャブにすぎないのだから……。飴屋君ほんとにガンバッテ下さい。
  


                            
   
コシミハル+飴屋法水 野ばら(1985)
コシミハル+YMO パラレリズム Decadance 120 

                                        佐野史郎氏、嶋田久作氏の伝説のポップバンド"タイムスリップ"
                                     

                                 


   ありがとうございました。K. Olds  ツイッター @misopichopo
     U.S.A.絵描き/Artist / Keiko Olds @misopichopo









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